The Book'n Den

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大人になった私たち 鈴木るりか 著『14歳、明日の時間割』

f:id:hase-base:20220414095223p:plain 2019年最後にすごい本に出会いました・・・。2019年最後の書評はこの本に決定!

今回ご紹介する1冊は現役の学生が書かれた14歳明日の時間割です。

著者は現役の学生!

中学生の頃に書いたデビュー作「さよなら、田中さん」が大ヒット!

今回はそんな今大注目の新人作家鈴木るりかさんの第2作目となる14歳明日の時間割をご紹介します。

うるわしき学生時代

この作品はチャプターごとに時間割に見立て、各教科毎にストーリーが進行していきます。

例えば1時間目の国語

その電話を受けたのは母で、私はまだ学校から帰っていなかった。「午後6時ごろ秀文社の片瀬さんから電話があってね、『明日香ちゃんいいですね。脂が乗ってるって感じです』って言ってたよ」夕食の時、母が教えてくれた。数ヶ月前、私は出版社が主催する小説賞で、特別賞を受賞していた。史上最年少だそうで、小さな田舎町ではちょっとした騒ぎになった。

と言う出だしで物語が始まっていきます

この1分を読んだときに私は「ははーん、自分を題材とした小説を書いているんだな」と思いましたが、それはまったくの勘違い。

最初の国語こそ著者の鈴木さんをモデルとしているのかもしれませんが、それ以降の時間割では様々なキャラクターが登場しそれぞれの視点から学生生活を綴っています。

中学生と言えば子供と大人のちょうど境目にあたる時期。

まだまだ自分のことで精一杯だけどちょっと背伸びをしてみたくもなる時期であって、また同時に人からどう見られているか、なりたい自分と人から見られている自分がどう乖離しているか敏感に気にする時期だと思います。

このような多感な時期に感じる心の振れ幅は、やはり現役の学生である鈴木るりかさん。表現するのが上手だなと思いました。

「大人の言う事なんて」と、大人を遠ざけつつ、大人の事情で自分の進路を妨げられてしまったりと思うように行かなかいこともしばしば。

そういう憤りやわだかまりをクラスメイトとのやりとりで癒してもらったり、ときには大きな何かに気づいたり。学生時代とは正に小さな社会であり、社会の中でどう生きていくかと言うのを体で学んでいるのだなと感じました。

学校では時間割ごとにいろいろな教科を学んでいきますが、それに準じて多様な生き方を学ぶ場でもある、というのが大人になった私が「学校って何のためにあるの?」と聞かれた時の答えになるかな?とこの本を読んで思いました。

まだ学生?侮ることなかれ

私がこの本の中で一番心にグッときたのが5・6時間目の体育です。

運動神経が全くない主人公が、学校行事のマラソン大会に向けてこっそりと練習を行うストーリー。

この主人公の家には80歳を超える祖父が居て、その祖父とのやりとりに号泣しました。

祖父は自らのもう長くないであろう命に対して、その運命にあらがうことなく真正面から死に対して向き合っていました。

年寄りが死ぬのは当たり前だ。自然の摂理ってやつだ。でも生きているのは当たり前のことじゃないぞ。忘れがちだけど、今日生きてるのは当たり前のことじゃないんだ。

 

歳をとるとだんだん醜くなって、若い人には見向きもされない姿形になっていく、というのは実によくできたシステムなんだ。(中略)体が衰えて、去年できたことがだんだんできなくなる。頭の回転も遅くなる。そうやって少しずつあきらめをつけていく。頭も体も若い時と変わらなかったら、人生が楽しくて死ぬのが嫌になる、怖くなるだろう。でも少しずつ無理がきかなくなって、思うようにいかないことが増え、諦めがつくようになる。そうやって最後を受け入れる姿勢、心構えを、知らず知らずのうちに準備している、させられているんだな」

 

おじいちゃんがいなくなっても、そう悲しむ事はない。忘れてもいい。忘れているくらいでいい。死者を思い出すなんてのは、ろくな時じゃないものさ。困った時とか落ち込んでいる時とかな。

 

私が中学生の頃を思い出してみると、誰かが死ぬと言う経験したことがなく、「死ぬ」と言うのはどういうことなのか、どういう気持ちで死ぬのか。というのを考えた事はありませんでした。

ただ漠然と怖いことというイメージだけが先行し、死=終わり、生=普通のこと、として捉えていたように思います。

作者の鈴木ルリカさんはどこでこのような死に対しての考え方と接してきたのか、すごく気になりました。

他にも

「私、お母さんに愛されていないんだよね。愛とか言うと重たくなっちゃうけど、そうなの。はっきり言うと嫌われてんの」

 

それだけを目標に、人生の中心にして努力に努力を重ねてきたのに、そこがなくなっちゃった人間てどうなると思う?抜け殻になるんだよ。元選手じゃない。ただの抜け殻。

このような、ドキッとする文章が至るところにありました。

大人は大人でいろいろ手一杯だけれども、そのしわ寄せは必ず子どもにいく、そう思いました。

年代にとらわれない表現の自由

この1冊を通して読むと笑いどころあり、涙がにじんだりと読み応え時は十分でした。

「まだ学生なのにすごい・・・」とコメントする読者さんが多いのも頷けます。

しかし、若いからといって何も感じない訳ではないですし、大人に響くことを書いてはいけないというルールがある訳ではありません。

知らず知らずのうちに私たち大人が無意識に「10代の子どもなんて所詮こんなものだろう」「ここまで深く物事を考えていないだろう」「人生観は人生経験・年齢に比例する」と思っていることが露呈してしまった結果、こういうコメントが並ぶのではないかと私は思います。

10代の子も5才の子も、生まれたばかりの赤ちゃんも、周りの状況を瞬時に汲み取り、いろんな思いを感じているのでしょう。

それを表現するかしないか、どう表すか、だけのような気がします。

先ほども述べたように、中学生〜高校生は大人と子どもの間で揺れる時期です。

この時期にしか感じられない、何色にも染まっていない刹那の思いをるりかさんにはぜひ等身大のまま表現して欲しいと思います。

これからるりかさんが成長するに従って、どんな風景を切り取ってくれるのか非常に楽しみです^^

楽しく読める1冊なのでぜひこのホリデーシーズンに読んでみてくださいね!

自分にぴったりな暮らしを わたなべぽん 著『やめてみた。』

f:id:hase-base:20220414095503p:plain さて今週はサクッと読めて、それでいて自分の暮らしがちょっとだけ変わる。そんな本をご紹介したいと思います。

これ、やめてみる?

この本は著者のぽんさんが日常のいろんなことを「やめてみた」結果、どうなったのかを書いているコミックエッセイです。私はこのぽんさんの書く絵のタッチが大好きなのです^^

ぽんさんがやめてみたものは・・・

 

  • 炊飯器
  • テレビ
  • 掃除機
  • ゴミ箱
  • ファンデーション
  • ついついコンビニ
  • ながらスマホ
  • モヤモヤする人間関係
  • 「人生を充実させなきゃ!」と思うこと

 

だそう。やめるのに勇気のいることも中には有りますよね・・・!

特に家の中にあって当たり前で私もほぼ毎日使っているもの、それは炊飯器です。

この本の中でぽんさんは炊飯器が壊れ、最初はその場しのぎで土鍋を使っていたようですが、土鍋ご飯の美味しさに気づいてからは炊飯器ではなく土鍋ご飯が一般的になったようです。

私も先日初めて土鍋でご飯を炊いたのですが、未だに炊飯器をやめる勇気は出ていません・・・。

他にもどうしてテレビをやめようと思ったのか、やめた時の禁断症状との向き合い方、実際にやめてみてどうだったかを詳しく書いています。

女性なら「ファンデーションをやめる」など気になるのではないでしょうか^^?

この本から学んだこと

服と自信の関係性

自分に自信があればシンプルな服を着て、自然体でいられるってこと・・・?

ぽんさんはいつもどこか個性的な服を買うことが多かったようです。

シンプルな服を勧められても「おばちゃんっぽくなるのでは?」と考え、なかなかシンプルな服を購入出来なかったようです。

どうして個性的な服を着るのかと考えてみたら「自分に自信がないから何者かに見せるために個性的な服を着ているのでは?」と気づいたようです。

なんだか私のことを言い当てられているようでグサッと来ました。

私は派手な色や小物が大好きです。でも実はシンプルでナチュラルなものに憧れている自分がいるのもわかるのです。

私は生活が地味というか普通なので(小声)、少しでもバリキャリ風に見せたいがためにそういう小物を選んでいるのかも、と気付きました。

しっかり自分で丁寧に家事を行い、季節を感じられるようになったら小物も幾分かシンプルなものが増えて来たように思います。

思わず手に取るものにその時の心情は反映されているんだな、と感じました。

人間関係は休んでもいい

人生生活が変われば考え方も変わるんだからいくら友達でも合わない時期もある。

人間関係、特に友人関係って一度親しくなったらずっと仲良くいないといけないような、一度疎遠になってしまったら前の関係に戻れないような、そんな気が私もしていました。

生活が変われば生活も変わる、とても当たり前なことですがこのことを素直に受け入れられる人は少ないと思います。

仕事をしていたけど子育てのために育休を取る、東京に住んでいたのに地方に転勤になってしまう。など人生の中で生活が変わるシーンは数多く存在します。

たまたま私とあなたが出会ったのはこのタイミングだったから、仲良くなれたのもお互いがこのタイミングだったから、だからお互いのライフスタイルが変わったり、タイミングがずれたらまたちょっと距離を置いてもいい。

当たり前ですがなかなか実践は難しいですね。

本当の縁なら離れてもまた繋がれるよ、そのことばを信じて無理せず人間関係を築いていこうと思います。

ありがとうの言葉

相手に感謝の気持ちを伝えるだけじゃなく、同時に自分を大切にすることが出来る言葉

ぽんさんはふとした時に「ありがとう」ではなく、「すみません」と言ってしまうようです。

それを見たご主人が「それは謝るところじゃなく、ありがとうだよ」と伝えて、ぽんさんはぎこちないながらも「ありがとう」と言うようになったそうです。

「ありがとう」って自分1人じゃなく他の人が存在しないと出て来ない言葉ですよね。相手が私に「何か良くして」くれた証拠です。

無機質な「ありがとう」を言うのではなく、「相手が自分を大切に扱ってくれた」、そのことをしっかりと感じたいと思いました。

やめてみる

何か忘れ物をしてしまったけど「あれ、意外となんとかなるじゃん」っていう時有りますよね。

そんな時「当たり前」のバリアが崩れて新しい視点が生まれるんだなと思いました。

ついつい当たり前になっていること、やめたいと思っていること、これを機にやめてみませんか?

やめてみて不自由があるなら戻せばいいだけですから。

(この戻すというのがまた一手間だけれども)

 

この本の続編、「もっと、やめてみた」もオススメです。

ぽんさん、さらにいろんなものをやめています^^

おすすめブックカフェ〜仙台・火星の庭〜

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さて、今日は杜の都仙台にある素敵なブックカフェをご紹介しようと思います。今日ご紹介する『火星の庭』さんは仙台駅から徒歩10分ほどの位置にあるので観光の合間や新幹線までの時間にぜひ行ってみてください😊

book cafe 火星の庭

book cafe 火星の庭

賑やかな仙台の駅前を過ぎ、歩くこと約10分。火星の庭に到着です。

(結露がいい感じにエモい写真にしてくれました!)

店内に一歩足を踏み入れてみると・・・

本!本!本!

奥にもずらっとマスターが厳選した本が並んでいます。

店内の左半分が本棚、右側がカフェとなっています。

カフェ側からみた店内。

店内はテーブル席が5個、合計10名まで着席出来そうです。

店内の本は古本が中心。国内外を問わず面白そうな本がたくさんありました。

最近の本は少なめ。神保町にある古本屋さんにカフェがついたようなイメージでしょうか。

私は糸井重里さんの本のコーナーに惹かれ、糸井さんの愛犬「ブイヨン」の日常を綴った「ブイヨンの日々」をパラパラと読みました。

もちろんお店にある本をカフェスペースで読むことも出来ます。

ランチのカフェメニューです。

店内に一歩足を踏み入れた時からタコライスのスパイシーな香りがして一気に食欲をそそられました。と、いうことで今回はタコライスを注文。

すっごいマニアックなポイントなんですが、カラトリーのスプーンが小さめで女性でも大口を開けなくても食べられるのが良かったのが本当に良かったです。

(顎関節症の私としては助かりました!)

コーヒーも頂きました。

火星の庭でいただけるコーヒーは、仙台市桜ヶ丘のOHNUMA'S COFFEEさんの珈琲だそう。

オーナーが1杯1杯丁寧にネルドリップで淹れて下さいます。

カップもまたオシャレですね😊

私が持ち込んだのは映画化もされた「コーヒーが冷めないうちに」です。

読んでいたら私のコーヒーは冷めていました。

通常のカフェとは異なり、隣の人の話声がうるさいということが全くなく読書に没頭出来るのがとても気持ち良かったです。

夜は19時までの営業だそう。

ぜひ美味しいコーヒーと本の出会いを楽しんでくださいね!

火星の庭公式HP

book café 火星の庭

恋は罪悪ですよ。 夏目漱石 著『こころ』

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こんにちわ、今回書評を書く1冊は夏目漱石の「こころ」です。

日本を代表する文豪とも言える夏目漱石。その中でも普及の名作と言われ続ける「こころ」。

今回初めて読んでみました。

あらすじ

こころは大きく分けて3つの章に分かれており、それぞれ「先生と私」、「両親と私」、「先生と遺書」とタイトルがつけられています。

書生(学生)であった「私」が夏休みに訪れた鎌倉で先生と出会うところからこの物語は始まります。

※以下「私」、はこの物語の主人公を、わたし、はライター自身を指します。(引用部分を除く)

私はその人を常に「先生」と呼んでいた。

主人公の「私」は、先生と親しくなるようになり、頻繁に先生の元を訪れるようになります。

先生は「とても人間が嫌いで憎んでいる」とよく口にしていました。

「私」は先生が一体どうしてそんなことを考えるのか、知りたくなります。

「あなたは私の思想とか意見とかいうものと、私の過去とを、ごちゃごちゃに考えているじゃありませんか。私は貧弱な思想家ですけれども、自分の頭で纏め上げた考えをむやみに人に隠しやしません。隠す必要がないんだから。けれども私の過去を悉くあなたの前に物語らなくてはならないとなると、それはまた別問題になります。」 「別問題とは思われません。先生の過去が生み出した思想だから、私は重きを置くのです。」

そんな中、「私」の父親が体調を崩し「私」はしばらくの間故郷へ帰ることになります。

実家に帰った「私」は両親から「先生にどうにかして当面の仕事を工面してもらうよう頼む」ように言われ、気が進まない中、先生に筆を取ります。

父親がいよいよ臨終状態を迎えようかという時、「私」は先生から分厚い手紙を受け取ります。

「この手紙があなたの手に落ちる頃には、私はもうこの世にはいないでしょう。とくに死んでいるでしょう。」

先生が生前「私」に残した言葉

ここでは第一部「先生と私」の中で先生が発した言葉のうち、後半部分で意味を持ってくる言葉たちを集めてみます。

「お父さんの生きているうちに、相当の財産を分けてもらって置きなさい。それでないと決して油断はならない」

「私」の父が病に罹っていることを先生に打ち明けてから先生は何度か財産のことを「私」に尋ねます。

父が死んでからは遅い、生きているうちに話をつけておきなさい、と繰り返し先生は「私」に言うのです。

 

「しかし、悪い人間という一種の人間が世の中にあると君は思っているんですか。そんな鋳型に入れたような悪人は世の中にはあるはずがありませんよ。平生はみんな善人なんです。少なくともみんな普通の人間なんです。それが、いざという間際に、急に悪人に変わるんだから恐ろしいのです。だから油断ができないんです。」

先生が「私」の家族構成を聞き「みな善い人ですか」と尋ね「私」が「別に悪い人間というほどのものもいないようです。大抵田舎者ですから」と答えた後に先生が述べた言葉です。

根っからの悪い人はいない。普段はみな善い人。しかし、ちょっとした心の歪みがきっかけとなり人は悪人となってしまう、と先生は述べています。

人は生まれながらにして弱い人、性弱説を思わせるフレーズです。

 

しかし君、恋は罪悪ですよ。

こころの中で有名なフレーズの1つとも言える文章でしょう。

「私」は先生が突然このようなことを言い出して何とも返事をすることが出来ませんでした。

 

「しかしもしおれの方が先へ行くとするね。そうしたらお前どうする」

先生がふと奥さんに「俺が先に死んだらお前はいったいどうする」と質問を投げかけます。それも何遍も何遍も。

誰しもが自分が死んだら一体どうなるんだろうと考えたことは一度や二度、あると思います。しかし先生はよりリアルにこの答えを求めていたのではないかと思います。

打ち明けられた先生の過去

田舎に帰った「私」は先生から長く分厚い手紙を受け取ります。

暗いものを凝っと見詰めて、その中からあなたの参考になるものをお攫みなさい。

その中には「私」が知りたかった先生のこれまでが詳細に記してありました。

その内容は大きく分けて2つ、

  • 先生の両親の死後、叔父によってその財産を盗られたこと
  • 友人Kとの恋の三角関係のこと

これらのことについて書かれていました。

先生は叔父によって本来相続すべき遺産のほとんどを盗られてしまいます。先生の父は生前「叔父は善い人だ」と繰り返し言っていたので先生は人間というものを信じられなくなります。

そしてこの手紙で初めて登場する先生の友人K。

先生はこの友人Kと恋の三角関係にあったことをこの手紙にて打ち明けています。

Kとの三角関係について

ある家の下宿人となった先生は下宿先のお嬢さんに恋心を抱きました。後に先生の計らいで同じ下宿先に世話になることになった友人Kも先生同様、お嬢さんを好きになってしまいます。

次第にKもお嬢さんのことが好きなのでは?と疑いの目を持ち始めた先生。何も手につかなくなってしまいます。そんな中急に友人Kが先生に自らの恋心を打ち明けます。

再度Kが先生に相談をすると、友人Kの性格を分かっている先生はKが一番傷つく言葉を彼に浴びせるのです。

そして後日、先生はお嬢さんの母親に「嫁に欲しい」と懇願し、承諾をもらうのです。

Kの恋心を自らで打ち破りながら、お嬢さんを自らの妻として迎え入れることにした先生。

Kにことの経緯をどのように説明をしようかと悩み、Kに伝えようと決意するもののKはその前に自殺してしまうのです。

先生のこころ

先生はKが自殺してしまったことを自らの責任と感じ、その後の人生を罪悪感と共に生きていきます。

しかし、Kは本当に失恋だけが原因で自らの命を絶ったのでしょうか。本当のところはKにしか分かりませんが、当時の先生には彼の自殺の原因を他に見出せませんでした。

 

また、先生は生前に「元来悪い人というのは存在しない。いざという間際に悪人に変わってしまう」と述べていました。

先生は善い人であったはずの叔父さんに遺産を盗られます。おじさんにとっての“いざという間際”はお金だったのでしょう。皮肉なことに先生もまた恋という“いざという間際”でKに対して悪人となってしまうのです。

人間を憎むほど嫌いになった叔父さんと同じやり方(善人の中に眠る悪人を露呈させてしまうこと)でKを自らの命を経つほどまでに追い込んだ先生。

自分を始めとする人間全てを憎み、憎悪の対象としてしまいました。

自分もあの叔父と同じ人間だと意識した時、私は急にふらふらしました。他に愛想を尽かした私は、自分にも愛想を尽かして動けなくなったのです。

先生は本当に悪人なのか

先生は自らをどこまでも低劣な存在であると繰り返します。しかし、先生は本当に悪い人なのでしょうか?

 

「私」のお父さんの容体を気遣いながら「財産はもらっておくように」と自らの悲劇を「私」に繰り返させぬよう促す先生。自らが痛く辛い思いをしたからこそ、この「私」にはそういう思いをさせまいという人生の先輩の教訓がここにはあると思います。

先生が財産のことを「私」に聞くようになった時点で先生は「私」に対してこころを開いていたのでは?と感じます。

 

また、先生はKとの三角関係を妻には話さないで欲しい、「妻には何も知らせたくないのです。妻が己の過去に対して持つ記憶を、なるべく純白に保存しておいてやりたいのが私の唯一の希望」と述べています。

これは先生が自らの面目を保ちたいというよりも残してしまった妻への愛情であるとわたしは感じています。

身寄りのいなくなった妻が先生の過去を知ったらきっと妻も自身の過去を呪い、生きることに対して悲観的になってしまうと先生は思ったのでしょう。妻だけは永遠に守りたい、そういう強い愛情をわたしは感じました。

(読者の中には妻にも知る権利はあるから何も言わずに先生は1人で死んでしまって卑怯だ!という意見もあります)

 

「私は死ぬ前にたった一人で好いから、他を信用して死にたいと思っている。あなたはそのたった一人になれますか。なってくれますか。あなたははらの底から真面目ですか」

この一文からわたしは先生は人間に対して見切りをつけているけれど、それでも誰かを愛し愛されたい、信頼したい、信頼されたいと切に願っていたんだなと感じました。

愛し愛されたい、信頼し信頼されたいのはやはり先生が本当は善人だったからではないでしょうか。

善人だから故に、自らを追い込みすぎてしまったのかなと少し悲く思ってしまいました。

本当の最後は

こころは「私」が臨終を迎えようとしている父の側にいる時に先生からの手紙を受け取ります。

「この手紙があなたの手に落ちる頃には、私はもうこの世にはいないでしょう。とくに死んでいるでしょう。」という一文を見て居ても立っても居られなくなった「私」は臨終間際の父親を置いて先生のいる東京へと向かいます。

果たして「私」は亡骸となった先生と対面したのか。そして自らの父親の最期を看取ることは出来たのか。

残された先生の妻は死んだ先生についてどう思っているのか。どう生きていくのか。

手紙を読んだ「私」はその後どうやって生きていくのか。

何も書かれていません。

 

先生がKを追い詰めた結果Kが自殺してしまったように、「私」も先生の思想や過去を知りたいと願ったばかりに先生を自殺に追いやったと捉えてしまわないか、責任を感じてしまわないか非常に心配です。

あとがき

このこころの舞台設定は明治の終わりにかけての東京になります。

明治といえば西洋のものが多く日本に入ってきて制度や風習が大きく変わった時期です。(いわゆる文明開化ですね)

この時代の物語だからでしょう、小説の中にほとんど「カタカナ」が出てこないのです。

出てきても「ハイカラ」や「アイスクリーム」「ホテル」などごくわずか。

さらにゴムのことを「護謨」と表記したりテーブルのことを「洋机」と漢字で表記している箇所があります。

カタカナが普及する前は皆漢字で表していたんだな、こんな風に表現されていたんだな、そんな風に歴史を感じることも出来る1冊でした。

ブックアワード2019

f:id:hase-base:20220415140029p:plain さてさて、11月最後となる今週は2019年に読んだ本の中で心に残ったもの、印象深かったもの、私に影響を与えてくれたものをお送りしようと思います。

それでは私の「今年の1冊」、ぜひご覧ください^^

1位:かがみの孤城

この本は2018年の本屋大賞受賞作です。

あなたを、助けたい。 学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。 輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。 そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた―― なぜこの7人が、なぜこの場所に。 すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。 一気読み必至の著者最高傑作。(公式HPより引用)

この本の主人公は中学校に通う女の子こころ。

こころは中学校に入学した一学期にとある事件がきっかけで学校へ足が向かなくなってしまいます。

ある4月の日、いつものように自分の部屋で時間を潰していると、こころの部屋にある姿見から眩い光が発せられ、こころは戸惑いながらも自らその光の元へと吸い込まれていく・・・。

城の中でこころはアキ・ふうか・ウレシノ・リオン・マサムネ・スバルと名乗る特徴的なキャラクターを持つ6人の子どもたちと出会いました。

時間が経つに連れ次第に仲良くなりお互いのことを話すようになると、彼らは人には言えない自分たちの「共通点」の存在に気付いていきます。

この城に集められた子どもたちに課せられたゴールは「なんでも1つ、願いが叶う秘密の鍵を見つけること。

来年の3月30日までの平日朝9時から午後5時まで、城には出入り自由」、とお目付役の〝オオカミサマ〟は言う。

更にオオカミサマは「願いの鍵を見つけ、誰かの願いが叶ったらそこでこの城は閉城になり、この城で起きたことは記憶から一切なくなってしまう」と付け加えたのです。

果たして子どもたちは願いが叶う秘密の鍵を見つけることは出来るのでしょうか。7人の子どもたち、それぞれが叶えたい願いとは?

物語は終盤に向けスピード感を増していき、最後にはあっと言う展開が待っています。二度読み必須の大作と書かれていますが、序盤の布石を確かめたくなり、何度も何度も読んでしまいます。

学生時代のもどかしい気持ち、自分って何だろうって思う気持ちを思い出しながら読んだ1冊です。

2位:デットエンドの思い出

デッドエンドの思い出に収録されている5つのストーリーの主人公の女の子は皆どこにでもいそうな普通の女の子。

しかし、普通の女の子ですが皆心に擦り傷のようなものを抱えていました。

育った環境が複雑だった女の子、大好きだった人に振られてしまった女の子。

あとがきでばななさんは『この短編集は「自分のいちばん苦手でつらいことを書いている」という過程を経たものであり、「つらく切ないラブストーリーばかりです」』とコメントされています。

嬉しいこと・楽しいことは簡単に読み手の心に届き、思いを共有出来ますが、辛いこと・悲しかったこと・苦しかったことを読み手の心に届けるのはとても大変なことだと思います。

辛いこと・悲しかったこと・苦しかったことは自分の心の奥深いところにしまいこんでしまい、無理にでも記憶から遠ざけようとしてしまいますよね。

女の子の悲壮感を残酷すぎず、それであって「私も昔こんなことあったな」と思い出させてくれ、苦しい気持ちではなく、甘酸っぱい気持ちにさせてくれるばななさんは本当に言葉を紡ぐのがうまいなと感じました。

私がこの本と出会った良かったな、と思ったのは次の言葉との出会いです。

家族のことで傷ついたことがない人なんて、この世にはひとりもいない

家族の話をすると「私の家なんてさ・・・」と誰しも自分の家族のことを話し出す。そんな状況は私は今年数多く遭遇してきました。

その度にこの「家族のことで傷ついたことがない人なんて、この世にはひとりもいない」という言葉を思い出しました。

3位:カラマーゾフの兄弟

世界的名著とも言われるこの1冊。非常に長いです・・・。

私はまだ上しか読んでいないのですが、その少ない中でも考えさせられる内容が多かったように思います。

現実主義者においては、信仰心は奇跡から生まれるのではなく、奇跡が信仰心から生まれるのだ。 現実主義者がいったん信仰を抱くと、彼はまさにみずからの現実主義にしたがって、必ずや奇跡を許容せざるを得なくなる。

私はこの言葉に出会った時に頭を射抜かれたかのような衝撃を受けました。

おそらく側から見たら「何のこっちゃ?」な文章だと思いますが、私にとっては救われるような、それでいて諭されるような、そんな一文でした。

カラマーゾフの兄弟は非常に長い作品なのでこのお正月にでも続きを読もうと思っています

4位:富と幸せを生む知恵

この本は私が今年の4月に京都にいる時に旅の相棒として手に取りました。

この本の中で私が一番心に残ったのは『逆境の乗り越え方』について書かれているページです。

人生を歩んでいるとなぜか何もかもがうまくいかない時ってありますよね。

このような時はこの逆境ですら自分の知識や努力の不足が原因で起きているのではないかと省みることが大事だとこの本の中では書かれています。

もしかしたら自らの行動が何か間違っていて、このくらいいいだろうと行動したことが後々大きな歪みとして生じてしまったのかも知れません。

そして、自らを省みてもうまくいかない時には「ある意味人間の力の及ばぬ天命が働いていると覚悟せよ」と教え、逆境が訪れたとしても自己の運命だと引き取り抗わないことで心の平穏を保てるようになると解説しています。

何かうまくいかないな、と感じる時や迷った時には何度もこの本を手に取り自分に言い聞かせるように読んでいます。

5位:The Third Door

10月に購入し、何度も読み返しています。

2019年に読んだ本一覧

多くの本を読んだんだな・・・と感じます。

どうしてもビジネス書や自己啓発書が多くなりがちなので、来年は小説やタイトルを受賞したいわゆる「名作」と呼ばれるものを多く読みたいと思います。

来年もどうぞよろしくお願いします^^

思い出の宝箱をそっと 中勘助 著『銀の匙』

f:id:hase-base:20220415140626p:plain こんにちわ!最近往年の名作を読むのにハマっています。

私の家の近くには蔦屋書店があるのですが、そこで11月に面白い企画をやっていました。

その企画というのが

本の日(11月1日)に向けた全国プロジェクト蔦屋書店の「コンシェルジュ文庫」、始動! ~蔦屋書店の名物コンシェルジュ10人が選ぶ「はじめての1冊」~

というものでした。

全国の蔦屋書店にいるコンシェルジュ120名の中から、名物コンシェルジュ10名が選んだ文庫本を「コンシェルジュ文庫」と名付け、コンシェルジュが選んだ本を店頭に並べるというもの。

第1回目となる今回の「コンシェルジュ文庫」のテーマは「はじめての1冊」

10人のコンシェルジュが、自分が定めた「●●な、はじめての1冊」というテーマで5タイトルずつ選書し、合計50タイトルを各店舗で展開されました。(一部公式HP引用)

その中で私が気になって手にとった本は北海道TSUTAYA BOOK 企画 森さんのおすすめされていた『中勘助 著、銀の匙』でした。

森さんがつけられたこの本のキャッチコピーは『異なる世界線の<わたし>に会う はじめての1冊』。異なる世界線の<わたし>とは何か気になり、手に取りました。

幼き頃の中勘助の自伝的小説

この本は作者の中勘助さんの実際の幼い頃を回想されながら、叔母さんとの毎日や友達との交流関係を記した小説です。

本のタイトルともなっている『銀の匙』ですが、銀の匙自体が話題に出るのは最初の4ページのみ。

弱くして生まれた中勘助。小さい頃から薬を飲まねばならず、赤ちゃんだった中勘助に薬を飲ませるために使っていた小さな匙がこの本のタイトルとなっています。

この後、この銀の匙について本文中で触れられることはないのですが、著者は大事にとっておいたこの銀の匙を眺めることで彼の幼少時代へとタイムスリップし、思い出に浸れることが出来るのではないかなと考えています。

意味もなく幼いこをからずっと持ち続けているもの、知らずのうちに手元に残っているもの。みなさんにもあるのではないでしょうか?私にはあります。

私の場合は白い犬のぬいぐるみなのですが、それ見るとお互いに長い時間生きてきたね、と戦友の気持ちになるような、それでいて「これが大切だったのか」と自分の成長を感じられるような、一人でぬいぐるみ相手に遊んでいてちょっと寂しかったような、いろいろな気持ちを思い出し思わず手を止めてしまうのです。

叔母さんの愛に溢れた幼少時代

この本の前半部分は著者の幼少時代の話、主に叔母さんと一緒にいろんな世界を見ているシーンが中心になっています。

幼き日の中勘助は伯母によって育てられます。この伯母との毎日が本当にキラキラしていて、子どもの時って毎日が発見で大冒険だったなと自分の幼少時代を少し思い出しました。

伯母さんは幼い著者をおんぶしていろんなところへ連れて行ってくれたり、夜寝る前にはいろいろなお話をしてくれたり、時には遊び相手になってくれたり・・・。

叔母さんの詳しい年齢は書かれていませんが、幼い著者の相手をするのはとても大変だったかと思います。しかし、疲れた顔ひとつ見せずに著者の相手をしている叔母さんは本当に情が厚く、著者は字のごとく愛情たっぷりに育ったんだなと思いました。

幼き頃の著者はいつも叔母さんにおんぶされ、泣きべそをかいています。おばさんはどんな子でもどうしようもなく可愛く、何をしても愛さずにはいられなかったんだなと感じました。

三つ子の魂百まで

対する後半部分は著者の学生時代にシーンが移り変わります。

身体が弱くすぐに熱をあげていた著者ですが次第に身体も丈夫になり、クラスの中でも指折りの存在感を出すまでに成長します。

「ついさっきまでの可愛い子どもはどこに行ったの??」と言いたくなるくらい、しっかりした青年が後半部分では描かれています。

日本軍が勝つとクラス中が言う中で『戦争はきっと負ける』と言い放ったり修身の授業(今でいう道徳の授業)を退屈なものだと言い放ったり、前半部分の著者とは似つかわしくないな、と感じてしまて部分はありましたが、よくよく考えてみると叔母さんの背中で自分の意思を通そうと泣きじゃくったりする頑固な部分はやはり変わっていないなと考えることが出来ました。

「三つ子の魂百まで」とは良く言われたものですが、幼いころの性格は大人になっても変わらないんだなと微笑ましく、幼少時代の著者とを見比べながら読み進めました。

子供らしい驚嘆

この本の中で私が一番心惹かれた一文は

「私は常にかような子供らしい驚嘆をもって自分の周囲を眺めたいと思う。 人びとは多くのことを見馴れるにつけただそれが見馴れたことであるというばかりにそのまま見すごしてしまうのである」

という一文です。

冒頭にも記しましたが、子どものころは毎日が発見で毎日が大冒険でした。

それは毎日が新しい経験でいっぱいだったからだと思います。しかし、大人になったからといって全く同じ日々が繰り返されているわけではありません。

1日たりとも同じ日はなく、日の長さも空気の暖かさも、草花の成長も毎日違っているはずです。

そんな些細な変化に気づき、お互い「生きている」「変化している」ことを感じられたら毎日はもっと彩られるなと感じました。

子供らしい驚嘆、この言葉がこの本のテーマとなり得るのではないかと思っています。

いつになっても子供の驚嘆を忘れずにいたい、と感じた中勘助が子供のころの気持ちに帰り過去を記したのがこの『銀の匙』であると感じました。

私が感じた異なる世界線の<わたし>とは

コンシェル森さんがつけられたこの本のキャッチコピーは『異なる世界線の<わたし>に会う はじめての1冊』。

私が感じた異なる世界線の<わたし>は、幼き日の<わたし>でした。

在り来たりかも知れませんが・・・。

この本を読み、著者の幼少時代に思いを馳せると同時に私の幼かったころの記憶もいろいろ思い出されてきました。

今となってはもう戻れない思い出の過去ですが、あの頃があったからこそ、今の私がいるんだなと感じられることが出来ました。

誰にでも幼き日の楽しかった思い出はきっとあるはず。その大切な思い出の宝箱をそっと開けてみるような、そんな読書体験となりました。

これでもう夕飯も怖くない!Yu u 著『ラクうま♡ベストレシピ』

f:id:hase-base:20220415141026p:plain こんにちわ、秋真っ盛りの11月ですね^^

食欲の秋という事で今回は私が毎日愛用しているレシピ本をご紹介させて頂きます。

料理本ジプシーだった私・・・

私料理が苦手なのです・・・。これまでに購入したレシピ本は数知れず。

この他にも簡単薬膳の本が2冊。

しかし次第にこれらの本も使わなくなったんですよね・・・。薬膳の本はやっぱり特殊な食材が出てきたり、素材の味を生かす為かどうしても質素になり食べ応えがなかったり。

ゆる自炊BOOKも初心者向けでいいんですが、やはりちょっと物足りなかったり・・・。料理初心者の割に食べる方は一丁前に味と量と食べ応えを求める厄介な私。

そんな時に出会ったのが、人気料理ブロガーの Yuuさん♡

https://twitter.com/innocence_yuu

私はTwitterに流れてくる『簡単料理レシピ』も結構試すんですが、これがまた「絶品」はどこ?という仕上がりになることが多く、「Twitterズボラレシピも結局はちょっと盛っているんだな」と思っていました。

しかし、Yuuさんのレシピは本当に簡単で見た目も・味も・量も100点満点!!

そんなYuuさんが本を発売されるとのことですぐさまGetしました✨

充実しすぎ?な本の内容

この本、何がいいってまずは表紙のご飯が美味しそう・・・^^

写真もインスタ映えな写真が多く、本を見ているだけで「これ作ってみたい」がすぐに見つかります。このレシピ本を読んでいるうちに食器にも興味が湧いてきました^^

そして収録されているレシピは充実の172品!

食材ごとのインデックスもあるので冷蔵庫を見て、「今日は大根が残っているな・・・」と思っても困ることはありません!

また、すごく参考になったのが、電子レンジの加熱時間換算表です。

「レシピ本に600Wで1分ってあるけど、うちの電子レンジは500Wなんだよな・・・」そんなことありますよね。

でもこれを見れば自宅の電子レンジは何分でセットすればいいか、一目でわかります♡

他にも電子レンジで調理する時のコツ(肉や魚をチンする時はドーナツ状に・カラッとさせたい時はキッチンペーパーなど)が紹介されているので「あれ、こんなはずじゃなかったのに・・・」が少なくなった気がします。

また、いまさら人に聞けないけどイマイチよく分かっていない食材の切り方や下処理の仕方も収録されていて、まさに料理の百科事典!初心者には本当にありがたいです><。。。

料理家の方って、料理するのが日常なので我々料理ビギナーがどこでつまずくか、何が難しかったかを想像するのって難しいと思うんです。簡単に出来ちゃうし、出来るのが普通なので・・・😭

でもYuuさんは本当に料理ビギナーに寄り添い、細やかに解説してくれているので本当に助かっています🙇‍♀️

また、それぞれのレシピに「調理ポイント」と「代用食材」が書かれているのでこれまた安心。

包丁を使わないレシピやポリ袋に入れて混ぜるだけのレシピもあったりと簡単なのに美味しい!が作れてしまい、本当に大充実の内容✨

実際に私が作成した料理の画像は無いのですが、毎日お世話になっています😊

私が昔友人にレシピ本をプレゼントしてもらったように、私も誰か料理に悩む人がいたらこのレシピ本を贈ってあげたいと思います。