The Book'n Den

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ブックアワード2019

f:id:hase-base:20220415140029p:plain さてさて、11月最後となる今週は2019年に読んだ本の中で心に残ったもの、印象深かったもの、私に影響を与えてくれたものをお送りしようと思います。

それでは私の「今年の1冊」、ぜひご覧ください^^

1位:かがみの孤城

この本は2018年の本屋大賞受賞作です。

あなたを、助けたい。 学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。 輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。 そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた―― なぜこの7人が、なぜこの場所に。 すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。 一気読み必至の著者最高傑作。(公式HPより引用)

この本の主人公は中学校に通う女の子こころ。

こころは中学校に入学した一学期にとある事件がきっかけで学校へ足が向かなくなってしまいます。

ある4月の日、いつものように自分の部屋で時間を潰していると、こころの部屋にある姿見から眩い光が発せられ、こころは戸惑いながらも自らその光の元へと吸い込まれていく・・・。

城の中でこころはアキ・ふうか・ウレシノ・リオン・マサムネ・スバルと名乗る特徴的なキャラクターを持つ6人の子どもたちと出会いました。

時間が経つに連れ次第に仲良くなりお互いのことを話すようになると、彼らは人には言えない自分たちの「共通点」の存在に気付いていきます。

この城に集められた子どもたちに課せられたゴールは「なんでも1つ、願いが叶う秘密の鍵を見つけること。

来年の3月30日までの平日朝9時から午後5時まで、城には出入り自由」、とお目付役の〝オオカミサマ〟は言う。

更にオオカミサマは「願いの鍵を見つけ、誰かの願いが叶ったらそこでこの城は閉城になり、この城で起きたことは記憶から一切なくなってしまう」と付け加えたのです。

果たして子どもたちは願いが叶う秘密の鍵を見つけることは出来るのでしょうか。7人の子どもたち、それぞれが叶えたい願いとは?

物語は終盤に向けスピード感を増していき、最後にはあっと言う展開が待っています。二度読み必須の大作と書かれていますが、序盤の布石を確かめたくなり、何度も何度も読んでしまいます。

学生時代のもどかしい気持ち、自分って何だろうって思う気持ちを思い出しながら読んだ1冊です。

2位:デットエンドの思い出

デッドエンドの思い出に収録されている5つのストーリーの主人公の女の子は皆どこにでもいそうな普通の女の子。

しかし、普通の女の子ですが皆心に擦り傷のようなものを抱えていました。

育った環境が複雑だった女の子、大好きだった人に振られてしまった女の子。

あとがきでばななさんは『この短編集は「自分のいちばん苦手でつらいことを書いている」という過程を経たものであり、「つらく切ないラブストーリーばかりです」』とコメントされています。

嬉しいこと・楽しいことは簡単に読み手の心に届き、思いを共有出来ますが、辛いこと・悲しかったこと・苦しかったことを読み手の心に届けるのはとても大変なことだと思います。

辛いこと・悲しかったこと・苦しかったことは自分の心の奥深いところにしまいこんでしまい、無理にでも記憶から遠ざけようとしてしまいますよね。

女の子の悲壮感を残酷すぎず、それであって「私も昔こんなことあったな」と思い出させてくれ、苦しい気持ちではなく、甘酸っぱい気持ちにさせてくれるばななさんは本当に言葉を紡ぐのがうまいなと感じました。

私がこの本と出会った良かったな、と思ったのは次の言葉との出会いです。

家族のことで傷ついたことがない人なんて、この世にはひとりもいない

家族の話をすると「私の家なんてさ・・・」と誰しも自分の家族のことを話し出す。そんな状況は私は今年数多く遭遇してきました。

その度にこの「家族のことで傷ついたことがない人なんて、この世にはひとりもいない」という言葉を思い出しました。

3位:カラマーゾフの兄弟

世界的名著とも言われるこの1冊。非常に長いです・・・。

私はまだ上しか読んでいないのですが、その少ない中でも考えさせられる内容が多かったように思います。

現実主義者においては、信仰心は奇跡から生まれるのではなく、奇跡が信仰心から生まれるのだ。 現実主義者がいったん信仰を抱くと、彼はまさにみずからの現実主義にしたがって、必ずや奇跡を許容せざるを得なくなる。

私はこの言葉に出会った時に頭を射抜かれたかのような衝撃を受けました。

おそらく側から見たら「何のこっちゃ?」な文章だと思いますが、私にとっては救われるような、それでいて諭されるような、そんな一文でした。

カラマーゾフの兄弟は非常に長い作品なのでこのお正月にでも続きを読もうと思っています

4位:富と幸せを生む知恵

この本は私が今年の4月に京都にいる時に旅の相棒として手に取りました。

この本の中で私が一番心に残ったのは『逆境の乗り越え方』について書かれているページです。

人生を歩んでいるとなぜか何もかもがうまくいかない時ってありますよね。

このような時はこの逆境ですら自分の知識や努力の不足が原因で起きているのではないかと省みることが大事だとこの本の中では書かれています。

もしかしたら自らの行動が何か間違っていて、このくらいいいだろうと行動したことが後々大きな歪みとして生じてしまったのかも知れません。

そして、自らを省みてもうまくいかない時には「ある意味人間の力の及ばぬ天命が働いていると覚悟せよ」と教え、逆境が訪れたとしても自己の運命だと引き取り抗わないことで心の平穏を保てるようになると解説しています。

何かうまくいかないな、と感じる時や迷った時には何度もこの本を手に取り自分に言い聞かせるように読んでいます。

5位:The Third Door

10月に購入し、何度も読み返しています。

2019年に読んだ本一覧

多くの本を読んだんだな・・・と感じます。

どうしてもビジネス書や自己啓発書が多くなりがちなので、来年は小説やタイトルを受賞したいわゆる「名作」と呼ばれるものを多く読みたいと思います。

来年もどうぞよろしくお願いします^^