こんにちわ、さっちーです!
皆さま8月もいよいよ終盤になってきましたね。
みなさん『平成最後の夏』いかがお過ごしになられたでしょうか?
自分の好きな読書、そして文字を書くこと、 まさしく「好きなこと×好きなこと」の一歩を踏み出した夏。
最近夜になると吹き抜ける風が涼しくなって来ました。
そんな秋の訪れを感じられるような今日この頃、読書が苦手な人、 本の世界に入りにくい人達にも本の世界に入りやすい1冊をご紹介させてもらいます。
作者さんってどんな人?
草薙渉さんは和歌山県出身の作家さん。今年で71歳になられるようです。
1989年に発表した「草小路鷹磨の東方見聞録」で新人すばる新人賞を受賞されました。
他にも「六月のうさぎたち」など15冊以上を出版されています。
登場人物
栄佐久
和歌山県の山奥から上京してきた大学生。漫画家になることを夢見て、300ページものオリジナル作品を執筆し、温めて来た。同じく漫画家を夢見るまりんと出会い、次第に心惹かれていく…。
チョーロー
栄佐久の大学の友人。高校を出てから6年ほど働き、世界を旅する生活をしていた。お金が無いと嘆く栄佐久にいいアルバイトをもちかけるが…。
まりん
この本のヒロイン的な存在。栄佐久と同じく漫画家になることを夢見て、出版社へ作品も持ち込みを行っている。果たして栄佐久と結ばれることはあるのだろうか。
母
栄佐久の母。作品内では手紙の書面の中にて登場する。手紙の中で母は若き日の思い出やこれまでの秘密を次第に暴露していく。
あらすじ
和歌山県の山奥で漫画家を夢見ている主人公の栄佐久。
憧れの東京の大学への進学が決まり、上京の準備をしている栄佐久に母は 「実はあなたのお父さんは生きていると思う」と告げる。
これまで父親は「栄佐久が生まれてすぐに亡くなった」と聞かされて来た彼にとって、 それはとても衝撃的すぎる告白だった。
***
東京へ出て来た栄佐久はこれまでにずっと温めて来た自分のオリジナル作品を 世に送り込む為に出版社へ持ち込む。
そこで同じく漫画家志望のまりんと出会い、 彼女の紹介である漫画家の助手としてアルバイトを始める。
**
そんなある日、栄佐久と同時に東京へ上京してきた故郷の幼なじみの亜紀に頼まれ、 亜紀の友人のカレンの恋人に扮してお食事会に出席する。
その場にて、衝撃的な話を聞いた栄佐久。彼の中にはとある考えが思い浮かび…。
感想
衝撃的な母の告白からスタートするこの本。
本当の栄佐久の父親は一体誰なのか? 突然漫画界に現れた新人スター「諸人こびる」は一体誰なのか? 栄佐久とまりんの恋の行方は? 謎の友人、チョーローの正体とは? 手紙に綴られる、栄佐久の母の淡い思い出とは?
などなど、本を読み進めていくにつれて出てくる疑問の数々。
その1つ1つの単純だった疑問がだんだんと絡み合い運命の糸がもつれていく…。
重たく展開するストーリーにだんだんと(短気なわたしは)じれったくなって来ますが、
最後のラストで全ての点が線に繋がる快感がたまらない!
サクッとスパッと気持ちよくなれる1冊です。
夏の気だるい暑さに疲れてモヤモヤしているあなた、 爽快感を求めるあなたにこの1冊をオススメします。
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