こんにちわ、さっちーです
先日政府から2024年に新しいお金を発行するというお達しが出ましたね!
「人の上に人を作らず」の福沢諭吉先生はご勇退となり、今後は日本を代表する実業家の渋沢栄一さんが富の象徴(?)となられることが決定致しました✨
そこで私は「一万円札になるくらいだからきっと素晴らしい功績をお納めになったのだろう」と渋沢栄一さんが書かれた本を手に取りました。
渋沢栄一さんとは?
1840年(天保11年)現在の埼玉県深谷市の農家の家に生まれました。
1867年、将軍・徳川慶喜の実弟であり、後に水戸藩主となる徳川昭武に随行しパリ万国博覧会を見学したり、欧米諸国の社会・経済・産業・政治について学ぶ。
その後「第一国立銀行」の総監役に就任し、第一国立銀行を拠点に企業の創設・育成に力を入れた。
生涯を通じて手がけた企業は500以上と言われている。
生まれてきたからには社会のために行動しよう!
世の中には様々な価値観の人が存在していますが、大きく分けると、自分を「客観的」に見ている人と、自分を「主観的」に見ている人の2種類に分けることができます。本書の中で渋沢さんは
『人がこの世に生まれてきた以上、自分のためだけでなく、何か世のためになるべきことをする義務がある。私はそう信じている。』
と発言し、全ての人は社会のためになると信じ、その行動を起こしていくべきだと説いている。
あなたの「人生のものさし」は?
「道理」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか?
渋沢は「道理」とは人の行くべき道であり、従うべき掟であると述べています。
この「道理」に適した行動をしていれば人の道は外れない、ということですが、どうしても「道理」の目が曇ってしまうことがあります。
それは「怒りの感情が優先した時」なんだそうです。
そのため、怒りの感情が優先しないために日頃から心がけるべき行動として
「平素の心がけを善くして、広く学んで事の是非を知り、七情の発動に対して一方に偏らないように務めることが一番大切であろう。とりわけ「知」を磨くことが肝要である。」
と述べています。
知識が不十分だからこそ事の是非が識別できず、感情にその判断を委ねてしまうのだそうです。
渋沢が考える仕事観
渋沢は仕事がないと嘆く青年に対し、
「おいしい桃の木の下には自然と道ができるように、沈黙していても仕事は忙しくて困るくらいに寄ってくるもの」
と述べて、仕事がないということは仕事が与えられないのではなく自分が仕事をしたくないか、仕事を与えられるだけの実力がなく、自らでその道を選んでいると説いた。
あくまでも事柄の原因は自分にあり、それを省みることをしない以上は状況は良くならないとのことです。
自分に否があるってなかなか認めたくない事ですよね・・・。
渋沢流逆境の乗り越え方
人生を歩んでいるとなぜか何もかもがうまくいかない時ってありますよね。
このような時はこの逆境ですら自分の知識や努力の不足が原因で起きているのではないかと省みることが大事だとこの本の中では書かれています。
上述の仕事観と同じ考えですね。
もしかしたら自らの行動が何か間違っていて、このくらいいいだろうと行動したことが後々大きな歪みとして生じてしまったのかも知れません。
そして、自らを省みてもうまくいかない時には「ある意味人間の力の及ばぬ天命が働いていると覚悟せよ」と教え、逆境が訪れたとしても自己の運命だと引き取り抗わないことで心の平穏を保てるようになると解説しています。
この境地にたどり着くまでにはだいぶ時間がかかりそうです・・・。
どうしてもジタバタしてしまいますよね・・・。
しかし、天命を受け入れずジタバタすることを「いたずらに苦労の種を増やし骨折り損のくたびれ儲けとなる」とズバッと斬っています。
おわりに
この他にも500もの企業を手がけてきた渋沢が語る「起業する際の心得」や「人付き合いのコツ」など、今も昔も変わらぬ心理がこの本にはたくさん収録されています。
個人的に面白いなと思ったのは前任の一万円札の福沢諭吉さんが「個人主義」なのに対し、後任の渋沢栄一さんは「社会主義」なところです。
この「個」が謳われている時代に渋沢栄一さんが一万円札になったのにも何か関係があるのかな?と個人的には考えてしまいます。
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