The Book'n Den

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あなたが戻りたい日はいつですか? 川口俊和 著『コーヒーが冷めないうちに』

f:id:hase-base:20220413162346p:plain あなたは「あの日に戻りたい!過去に戻りたい!」と切に願ったことは有りますか?

今回ご紹介する1冊は過去に戻ることが出来るというヒミツを持つ喫茶店で起きた感動のストーリーが描かれた、川口俊和さんの「コーヒーが冷めないうちに」です。

2017年本屋大賞にノミネートされ、2018年には映画化もされた心温まるこの1冊。

この本を読んだことがない人でもこのタイトルをきっとどこかで耳にしたことがある人が多いのではないでしょうか。

出会いと別れの季節の前に、大切な人を思い浮かべながら読んでみてください😊

表紙帯より

お願いします、あの日に戻らせてください。 「ここに来れば、過去に戻れるって、ほんとうですか?」 不思議なうわさのある喫茶店フニクリフニクラを訪れ4人の女性たちが紡ぐ、 家族と、愛と、後悔の物語。

ー4回泣けます。

私はこの「4回泣けます」の文字に惹かれてこのてこの本を手に取りました。

本を読んで泣きたい気分の時ってありますよね・・・。

泣きたい気分の時に「この本は泣けます」と書いていると思わず手に取ってしまう私です。 

あらすじ

ここは喫茶店フニクリフニクラ。

巷では「この喫茶店では過去に戻ることが出来る」という不思議なうわさが流れています。

フニクリフニクラへ過去に戻りたいという人が大勢訪れますが、実際に過去に戻ることが出来た人はごくわずか。

なぜなら・・・

  1. 過去に戻るためには様々なルールを守らなければいけないのです。例えば、 過去に戻ってもこの喫茶店を訪れた事のない人には会う事が出来ない
  2. 過去に戻ってどんな努力をしても現実は変わらない
  3. 過去に戻ることが出来るのはこの喫茶店のとある席に座った時だけ
  4. 過去に戻ってもその席からは移動することが出来ない

などそのルールはとても細かく、多岐にわたります。

そして一番大事なルールは「過去に戻れるのはコーヒーが暖かい間だけ」、ということ・・・

感動必至のミステリー本?

この物語は、この過去に戻るための複雑なルールを受け入れ、それでもなお過去に戻ることに挑戦した4人のお話です。

本に登場する人物が徐々に絡み合っていく連続短編小説となり、「恋人」「夫婦」「姉妹」「親子」の4本立てとなっています。

心温まる感動ストーリーと銘打っていますが、理屈では理解出来ない不思議な現象が起こるが故、ミステリーの要素を含んでいる1冊としても楽しむことが出来るでしょう。

物語は解決されない疑問点を残したまま終わりを迎えます。

ハッピーエンドでもなく、悲しい結末でもなく、どこかモヤモヤっとした気持ちのまま終わりを迎える結末がこの物語の舞台となっている喫茶店フニクリフニクラのコンセプトとリンクし、世界観が統一されているなぁと感じました。

過去に戻る意味とは?

過去に戻ってどんなに努力しても現実は変わらないのに、どうしてそれでも過去に戻るのだろう? 過去に戻る意味って一体何だろう? いっそ忘れてしまって生きて行ったほうが良いのでは?

そんなことを考えながら物語を読んでいると、目の前に起きていることが全てなのではなく、その背景にあるもの、目には見えない人の優しさや温かさが隠れていることに気付くことが出来ました。

出来なかったことを悔いているだけでは本当の事実は見えて来ません。

過去に戻るということは一見過去にすがっている出来事のようで、実は未来に向かって歩いている行為なのだなと思うそんな1冊でした。

以前児童養護施設の館長さんが、

「過去を振り返るってことは一見後ろ向きなことに見えるけれど、そうじゃない。 ボートというのは前に進むために後ろを向いて座らなければならない。 それと同じで前を向くためには後ろをみなければいけないこともあるんだよ」

と言ってくれたことを思い出しました。

映画と本、どっちから味わう?

私はこの「コーヒーが冷めないうちに」の映画版はまだ見たことが有りません。

しかし、映画の予告編を見ているだけでも書籍版と「あれ?ここちがうな・・・」という箇所が何箇所か見つかりました。

また、私の頭の中の喫茶店フニクリフニクラよりも映画版の喫茶店フニクリフニクラはとても広かったです。(私が思い描いていた喫茶店フニクリフニクラはどちらかと言えばバーみたいな感じ)

みなさんもぜひ書籍版からでも良し、映画版からでも良し。ぜひ味わい比べてみてくださいね😊

***

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本はあなたへのメッセージ 池袋・梟書茶房

f:id:hase-base:20220413162818p:plain とても気になっていた「梟書茶房」に念願叶い、訪問出来たのでそのレポートをします😊

まずは場所のご案内から😊

場所:東京都豊島区西池袋1丁目12−1 Esola池袋4階

東京に詳しくない私は「池袋」と聞いただけで尻込み><・・・。

エソラ池袋という商業施設があるのですね!ルミネ池袋の向かいのビルでした。

(ちなみに池袋からは出口3出口4がエソラ池袋に直結していようです)

お店に向かって左手側。

さて、どの本が私を呼んでいるのか・・・とワクワクしました😊

こちらに並んでいる本のブックカバーは紺・黒。

価格帯も400円代〜2000円を越すものなど本当に様々。形でこれは写真集っぽい、絵本っぽい、など想像出来るものもありました。

そしてこの棚の向かい側には梟書茶房ビギナー向けの本が置いてあります。(こちらの本はブックカバーが赤でした)

ビギナー向けということもあり、「この本はきっとアレだな・・・」という本が多かったです。

私が今回ビビッと来て買ってきたのはこの2冊。

NO.0565と、

NO,0158です。

ご覧になってわかるように「この本はどんな本?」がわかるような紹介文と、この本の続きの本の番号が示されているので、この紹介文を手がかりに気になる本を手に取るのです。

今回は小説っぽい本を2冊チョイスして買ってきました😊

中は一切見ることが出来ません。

何の本か分からないからこそ、買う時に僅かな手掛かりから「どんな本かな?」と想像します。

どんな本かな?と想像する中で「今私はどんなことに興味があって、何を欲しているのか?」が分かって来るような気がします。

私が惹かれた言葉は「食」「生活」「ことば」「日々」「戻らない」、でしょうか。

さっそくNo.0158を開封してみたのですが、私は聞いたこともない本でした。

表紙も、パラパラと中をめくった感じも、私が自ら好んで手に取るようなものでは無かったので、これぞまさしく「本との出会い」ですね😊

本を購入するとオリジナルのしおりがもらえます😊

私はカフェは混んでいて諦めたので記念に大事に持って帰りました。

もう1冊の方も近日中に開封しようと思います。

また、東京に行った際には訪問したいと思います😊

足るを知る生活 アズマカナコ 著『電気代500円。贅沢な毎日』

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今回ご紹介する1冊はアズマカナコさんの「電気代500円。贅沢な毎日」です。

突然ですが、皆さんは毎月の電気代をいくら支払っているかすぐに頭に思い浮かびますか?私は恥ずかしながら思い浮かびませんでした。

そこで毎月の明細を見てみましたが、友人などの会話にも『毎月の電気代』は上がってこないので、私の家の電気代が高いのか安いのかイマイチ分かりません・・・。

しかし、この本の著者アズマカナコさんは東京に住み、ご主人とお子さん2人の合計4名で毎月の電気代が500円と言うのだから驚きです。いったいどのような暮らしをされているのかこの本を読んでその日常を覗いてみましょう。

アレが・・・ない・・・!?

アズマさんのご家庭は普段私たちの家にあるようなほとんどの電化製品がないと言います。

例えばエアコン、洗濯機、冷蔵庫。

かつて三種の神器と呼ばれ、生活必需品となり瞬く間に一般家庭に普及していったこれらの家電もアズマさんの家庭にはありません。

また電子レンジやケトル、掃除機などあったら便利な家電も工夫して生活することでまかなうことが出来、必要性を感じていないため、家には置いていないそうです。(電子レンジはフライパンや蒸し器、ケトルはやかん、掃除機はほうきと、ちりとりで代用とのこと。)

ちなみに我が家も全自動掃除機を数年前に手放しました。それからというもの掃除はクイックルワイパーやほうき、ちりとりで行っていますが、特に不自由を感じたことはありません。

・・・本音を言えば私自身掃除機を自分でかけたことがありません。と、言うのは私の実家も掃除機よりもほうきを使う家庭だったので、わざわざ大きな音を立てて(今は静かなのかな?)コードに気をつけながら掃除機をかけるという習慣がないのです。

生活を豊かにするということ

生活を豊かにしてくれる家電が出てきたのは、長い歴史の中から見るとここ最近のこと。

以前は炊飯も洗濯も掃除も自らの手で行なっていたことばかりです。

自分で出来ることだけど、自分ではやらないという選択を我々はしてきたのです。

しかし本来「生きる」ということは自分の力の範囲内で生活し、生きていくことではないでしょうか。

アズマさんは自らの力で生きる道を選びました。

「機械に頼ると体は弱っていく。『便利』は行き過ぎると『不便』になるんです」とおっしゃるアズマさん。

最先端の便利な暮らしばかりを求めてしまうと、自らの頭や体を使う機会を失うことになり、筋力や思考能力が劣るだけではなく、人間が本能的に持つ動物的感覚も失われてしまうのでは?とこの本の中で警鐘を鳴らしています。

あなたは人と繋がっていますか?

この本の中で私がハッとさせられた一文が「ネットを使うことによって、遠くの人とは頻繁に連絡は取るのに近くに人とは疎遠になる」という一文です。

今はSNSで簡単に世界中の人と繋がることが出来るようになりました。

でも実際に身近な人とはどうでしょう?SNSで身近な人と繋がるのを拒む人も中にはいますよね。

(あ、SNSで身内と繋がろう!という話ではありません。笑)

あるべき姿としては生きている場所に関わっている人との関係や、いざと言う時に助けを求めあえる人との関係が密接になるべきなのに、生身の私たちの生活には直接関係のない画面越しの人とばかりコミュニケーションをとってしまう。

いざ何か有事が起きた時に隣人の顔や名前も知らないということが今の日本では多いのではないでしょうか。これでは「渡る世間は鬼ばかり」になってしまいます。

本当の防犯、自分を守る手段というのは身近な人との関係性を優先して築くことだと思います。

愛情の優先順位を私自身見直す必要があるなと感じました。

今の時代だからこそ大切にしたいこと

「電気代500円」というキャッチコピーが目を引くこの本ですが、電気代の節約術についてのヒント集ではなく、あることに感謝し、もったいないの精神で大切に丁寧に使わせてもらう昔の古き良き日本を思い出させてくれるようなあたたかな暮らし方について書かれた一冊です。

「あるものでどうにかする」がこの本の裏のテーマではないかと考えています。

昔から『足るを知る』ということわざもあるように、私たちは本来無い物に目を向けるのではなく、今ある物を丁寧に頂き、最大限に生かして生きて来たのではないでしょうか。

私たちが生きるために犠牲となった命を受け継ぎ、誰かが施してくれた作業に思いを馳せて毎日を大切に丁寧に生きていたのが昔の古き良き日本であると私は思っています。

「昔はこうだったな」「おばあちゃんはこのようにしていたな」と思い返して終わるのではなく、この現代にどのようにしてその古き良き日本を再現させるかをアズマさんは私たちにこの本を通して教えてくれています。

今日からできる優しくて贅沢な生活。あなたも何かひとつこの本から選んでみませんか。

私がこの本を読んで始めたこと

・スクラップブック

Twitterで流れてくる情報で「あ、これいいな」にイイネ!をつけてブックマーク代わりにしている人はたくさんいらっしゃると思います。私もその1人です。でも思い返そうと思った時に限って思い出せないんですよね・・・。

昔からある情報のストック術、スクラップブックをこの本を参考に復活させました。

その日の終わりに今日気になったことや、SNSで見た気になる情報を手帳に書き込むことにしたのです。

私は普段手帳を持ち歩いているのでちょっと時間が出来た時などに見返して「そうそう、これをやってみよう」と思い出し実行に移す回数が増えたように思います。

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髪は顔 佐藤友美 著『女の運命は髪で変わる』

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今回ご紹介する一冊は佐藤友美さんの「女の運命は髪で変わる」という一冊です。

この本に出会ったきっかけ

私は毎日勝間和代さんの YouTube を見ているのですが、その YouTube の中で勝間さんが「読んで人生が変わった!」という本を何冊かブックレビューとして投稿してくれています。

今回手に取った「女の運命は髪で変わる」。この本も勝間さんのブックレビューの中にあった一冊で気になったので手に取ってみました。

私のコンプレックス

実は私天パがもう本当にひどくて、そのままにしているとクシも通らないくらいクセっ毛が強いのです><。。。

この髪のせいで小学校の頃はいじめられたり、馬鹿にされたりすることが多く、大人になった今でsも髪の毛はコンプレックスの一つであります。

今は素敵なスタイリストさんと巡り会うことができ、数ヶ月に1回彼女に髪の毛のメンテナンスや縮毛矯正をお願いしています。

でも縮毛矯正ばかりを繰り返し、どんどん細く弱くなっていく髪の毛を見つめ、今後一生縮毛矯正をかけ続けるわけにもいかないのでこのくせ毛も「自分の個性」としてうまく付き合っていかなければいけないな・・・と思っていた矢先にこの本を見つけたので迷わず手に取りました。

女性における髪の大切さ

女性の顔を100点満点で評価するとしたらその内訳は、顔(メイク)が50点、髪が50点だそうです。 生まれつきの美人でメイクがバッチリで50点取っていても、髪が手入れされていなくて0点であれば総合50点。 逆に顔のパーツに自信がなく30点であったとしても、髪が美しく50点であれば総合80点!

とこの本では述べています。

それほど女性にとって髪の毛はとても大事なものだそう。

ファッションの業界は新しいモデルさんに対してファッション誌の編集長は新人モデルをまず美容院に送り込むのだそうです。

髪型が決まらなければ服も似合わないしメイクも映えないという事実がファッション界では暗黙のルールとなっているそうです。知りませんでした・・・。 

髪はもはや顔

この本を読んで一番びっくりしたことは、髪はもはや顔ということです。

就活や面接、婚活や合コン対策などでもよく言われることですが人間は第一印象が肝心です。

しかし、第一印象は何を指し、何を意識したらいいのでしょうか? 私は目鼻立ちなどの整った顔立ちやメイクの方法など、「顔」に意識が向いていました。

しかしこの本の著者、佐藤さんは「人は人の顔をじっと見ることはあまりなく、どちらかと言ったら横顔や後ろ姿をよく見ていることの方が多い」と述べています。

また男性は女性を髪型で判断していることが多いとの記述もありました。(例えば・・・女性がたくさんいる場では髪の長い子、嫌髪を一本に結んだ子、お団子の子、など髪型で認識しているそう)

髪はもはや顔という言葉を聞いて、私も思い返してみると友達の些細なメイクの変化にはあまり気づきませんが、前髪を少し切っただけでもイメージがガラリと変わったような印象を抱いたことが度々あります。

印象良くしたいならメイクよりもまずは髪と佐藤さんは述べています。

髪で印象は作れる 

この本では実際になりたい印象からどのように髪型を動かしていけばいいのかすぐに実践できるような方法も詳しく教えてくれています。

私が一番勉強になったのは女性の知性は後頭部に宿るという一文です。

品格のある女性を思い浮かべてみると皆後頭部がふんわりとしていませんか?

例えば滝川クリステルさんや安藤裕子さんなど女性キャスターはみな後頭部がふんわりしています。

またデパコスの美容部員さんも皆後頭部を盛って美しい女性のオーラを身にまとっていますね。

私も結婚式で、ティアラを乗せる際に後頭部をふんわりさせたイメージがあります。

このように後頭部にボリュームがあると知的に見えて安い女に見られず高く見える印象を与えることが出来るそうです。

逆に親近感を持ってもらったり、カジュアルに見えたい場合には後頭部をあまり盛らない方がいいとか。

自分のなりたいイメージに合わせて髪型を変えるということはしたことがなかったので、すごく参考になりました。

人前に出るときやちょっとおめかしをした時など後頭部を少しふんわりさせるだけで印象を良く出来るので今度何かやる機会があったらやってみようと思います。 

日常でできる髪のお手入れケア

この本の最後には「髪はほぼ年齢」というタイトルで髪の毛の扱い方について詳しく説明されています。

シャンプーの洗い方やトリートメントの効果を2倍にする方法、髪の健康を考えるならいつシャンプーしたらいい?髪色のメンテナンスの素晴らしい効果!など髪にまつわる情報がたくさん書かれています。

また彼氏や旦那選びよりも重要な美容師選び!(笑)というタイトルであなたにとってぴったりの美容師を選ぶ方法も書かれているので是非参考にしてみてくださいね。

私も今のスタイリストさんと出会って3年ですが、ようやく自分の髪が落ち着いてきたように感じます。

それまではクーポンを使い「とりあえず安ければ何でもいい!」という考えで色々な美容室をジプシーしてきましたが、やはりジプシーしてしまうといくら腕のいい美容師さんのところにで大金と使おうとも前の美容師さんのクセが残っているので本領が発揮できないそうです。

女性の皆さんならもう既にご存知なことだとは思いますが、私は髪にコンプレックスがあるにも関わらず髪の毛の扱いをぞんざいにしてきてしまっていたので、この本を見てすごく勉強になりました。

髪の毛に自信がつくと自分自身にも自信がつく気持ちがわかった一冊です。

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最高の時間に囲まれて生きる幸せ 堀江貴文 著『時間革命』

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今回ご紹介する1冊はホリエモンこと堀江貴文さんの時間革命です。

これまでに数々の本を出版し、独特な考え方が多くの人を魅了している堀江さん。そんな堀江さんが今回取り上げたテーマは『時間』です。

我々に無料で平等に与えられている「1日24時間」という時間。この貴重な時間をいかに有効に使うか、堀江さんの考えを一緒に見ていきましょう。

その時間はあなたの時間?

「忙しい!」「時間がない!」と言っている人に共通している事は、自分の時間ではなく他人の時間を生きている事と、堀江さんは述べています。

自分の時間と言うのは、自分がやりたいことやワクワクすることをやっていて、つい時間が経ってしまう時間のこと。

一方の他人時間とは、他の人に言われてやること、自ら進んでやっていることでは無いこと。

他人時間の最たる例が、アルバイトなどの時給で自分を切り売りし、労働の対価として報酬を得る事だそうです。

これは何も労働力を提供し、報酬を得ることが悪いと言っているのではなく、かけがえのない時間を手放してしまっていることが問題だと堀江さんは述べています。

Life is・・・

「時は金なり」ということわざ、「ライフイズマネー」と言う言葉がありますが、この本の中で堀江さんは時間とはお金ではなく人生そのもの、「タイムイズライフ」と表現されていました。

お金は失ってしまってもまたどうにかして手に入れることが可能ですが、時間は一度失ってしまうと二度と取り戻すことができません

その大切なことに我々日本人の多くは気づいていないと言うことに警鐘鳴らしています。

あなたの毎日は多動?多忙?

また多くの日本人が陥ってしまっている点として、「多忙」と「多動」を勘違いしてしまっている事があるそうです。

ホリエモンと言えば1つの物事にに留まらず、心の向くままに行動するライフスタイルを表した造語、「多動力」が有名ですが、本人は至って忙しいとは思っておらず、面白いからやっているだけなのだそう。

忙しく朝から晩まであれやこれと予定を詰め込むのは、一見充実している多動なライフスタイルに見えますが、その予定が自分時間でなければ、他人時間に大切な時間を搾取されているだけ。ただの多忙です。

そして多忙に関して厄介なことは、実際に手を動かしているので物事をやった気になっているのですが、ただの暇つぶしと何ら変わらないことだと堀江さんはバッサリ切り捨てています。

スキマ時間が効率的な理由は○○

また堀江さんは少しの隙間時間を大切にすることを心がけているそうです。

「スキマ時間を大切にしよう」という意識はここ数年でメジャーになってきたものだと思いますが、実際にスキマ時間をうまく使えている人はごくわずかだと思います。

堀江さんがスキマ時間を大切にしている理由はただ1つ、次の予定が控えているからこそ、制限時間を設けられることだそう。

制限時間があるため、いつも以上に目の前の作業に集中できるそうです。

言われてみるとなるほど、と思いました。

確かにダラダラやるよりも時間を決めてやったほうがメリハリがつきますね。

せっかくパソコンと同じように高性能なスマホを我々も持てるような時代に生きているのですから、パソコンを開かずとも作業を何かひとつ進められるようスキマ時間の使い方を今一度考えてみようと思います。

幸せは日常の中に

この本で印象的だった事は、「幸福とは、努力や成長を積み上げた先にあるものではない。日々のあらゆる時間を中に横たわっている「線」だ」という言葉でした。

今この時間を耐えれば、この時期を乗り越えればきっと幸せになれると言う幻想を私たちはつい抱いてしまいがちです。

しかし本当に大切な事は今こここの時間だけそんな大切なことに改めて気付くことが出来る1冊でした。

もっと伝えたい!この本のまとめ

✔️時間は自分時間と他人時間の2パターン。自分時間が多ければ多いほど満足度は高く、他人時間が長ければ長いほど生活への満足度は低くなる。自分時間を不安には他人時間を徹底的に減らすしか方法はない

✔️未来のこと、過去のことについていつまでも悩んでしまうのは、現在の時間がスカスカで暇だから。常にワクワクすることで自分の時間を埋めよう

✔️貴重な時間を大切にするため、健康を最優先しよう。1日ごとに人間の基本欲求を満たしていけば幸せになれる

食に関わる意識が一変した1冊 水上勉『土を喰う日々』

f:id:hase-base:20220414094725p:plain 今回ご紹介する1冊は水上勉さんの土を喰う日々です。

水上さんは隠侍(いんじ)という師家に直接仕え、日常の世話を長年する仕事を担い、特にお寺で精進料理を作る仕事を長年されてきたそうです。

私は精進料理ついてそこまで詳しくはないのですが、質素で現代の料理に慣れてしまった私には少し物足りなく感じてしまいそうな料理、というイメージが少なからずありました。

しかしこの本を読んで、精進料理にも様々な種類があり肉や魚を食べない料理というだけでなく、一品一品に作り手の優しい心がこもっている料理なんだなと言うことに気付くことが出来ました。

我々は土を食べながら生きている

この本のタイトルにもなっている「土を喰う日々」とは“『旬を喰うこと』とはつまり、『土を喰うこと』”という一文から来ています。

すべての野菜は土から生まれる。

旬を食べると言う事はその野菜を作ってくれた土を食べると言うことを意味する。

当たり前の事ですが、そんな大切なことをこの本のタイトルが思い出させてくれました。

また土に関しての話題と言えば、「すべての土はふるさとにつながっている」と言う一文もあり、この一文もとても好きです。

どの野菜をとっても昔懐かしいあのふるさとにつながっていると水上さんは本の中で述べていました。

食べ物を見ると思い出すのは、懐かしいあの顔

この本は1月から12月まで、それぞれの月の旬の食材を紹介したり、水上さんと食材にまつわる素敵なエピソードを紹介してくれています。

例えば6月。もう少しで暑い夏が来る!という時にスーパーの店頭に並ぶのは青梅ですね。

青梅の漬け方や梅干しの作り方、また水上さんが過去に経験した梅干しにまつわるエピソードなどがこの本には書かれていました。

個人的に面白いなと思ったのは高野豆腐のエピソードで、とある外国人が水上さんのお宅に招かれたときの話です。

水上さんはゲストの方に高野豆腐をお出ししたそうです。

高野豆腐と言えばおいしいダシを吸った豆腐が絶品ですね!私も大好きです。

しかしそのゲストの方は「高野豆腐はただのスポンジみたいなようなもので、スープがおいしい、スープがおいしい」、としきりに言っていたそうです。

それを聞いた水上さんは「これはスープではなく、汁であり、あくまでも高野豆腐のおまけのようなものだ」とゲストに伝えたのですが、ゲストは「これは絶品のスープだ!」と最後まで言っていたようです。

私も高野豆腐のお出汁がすごく好きなのでゲストの方の気持ちを察することが出来、これを読んだときにクスっと笑ってしまいました。

料理とはまた修行なり

この本にはこのようなおいしそうな話だけではなく、時に深く考えさせられるような話も載っていました

米を洗ったり、菜などをととのえたりする時、直接自分の手でやらねばならぬ。その材料を親しく見つめ、細かいところまでゆきとどいた心であつかわれねばならぬ。
料理をたかが台所仕事と見ず、いかに食事を作り、いかに心をつかうか、工夫するか、の行為は、人間の最も尊い仕事だ

今後料理する時に気をつけるよう、心に留めておこうと思います。

他にも、

いくらほめられても、ぼくの方はぜったいといっていいくらいお代わりはしない。うまいものは大事に喰って欲しい。
料理には六味の味があってこそ完全な味だと説いてある。ふつうわれわれは、甘い、塩辛い、酸っぱい、苦い、渋い、の五味を分析して考えているが、もう1つ「後味」を付け足して六味とする。後味とは食べた後、また食べたくなるあと味のことである。

後味に関しての考察はなるほどなぁと頷かされました。

これまでは「おいしかったね」だけで終わっていた食事ですが、「後味」と考えると食事は食べ終わってもなお、続く行為なのだなと思いました。

命を紡いでいく私たち

実家に帰った時に、時折家で作っている野菜をもらって帰ることがあるのですが、スーパーで買うものに比べてボコボコしていたり、味が薄かったり、はたまたすぐに悪くなってしまったり、と「やっぱり家で作るものはあまり品質が良くない。スーパーで売っているのはさすがプロの農家の作品だな」と思っていましたが、この本を読んでその考えを改め直しました。

我々人間も1人として同じ人がいないように、野菜も全く同じ野菜はなくそれぞれ味や特徴、見た目が違うだけだなと言うふうに気付くことが出来たのです。

命を頂いたもの同士、それぞれの個性を認めて付き合いたいと思います。

また、この本を読んでその月々の旬の野菜を美味しく食べたいと言う気持ちになったので、今年は季節と旬の食材を意識しながら生活していこうと思います。

私の本の読み方

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新年あけましておめでとうございます。

みなさま、素敵なお正月を過ごされていますか?

私は読書にどっぷりと浸り、あの長編「カラマーゾフの兄弟」に挑戦しています。

さてさて、今回は私の本の読み方についてレポートしたいと思うのでお付き合いください。

使っているのはこの読書ノート

本を読む前に、このノートの左側のページに

  • どうしてこの本を手に取ったか
  • この本には何が書いてあると思うか

を書きます。

※これは主にビジネス本や自己啓発本を読む時に書いています。

そして読み終わったら、右のページに

  • この本で心に残っている文章を3つ
  • この本を読んでの感想
  • そしてこの本を生活にどう活かすか

を書いています。(写真はちょっといろいろ逆ですね)

この読書メモの方法は齋藤孝先生の「読書をする人だけがたどり着ける場所」に書かれていました。

ビジネス本や自己啓発本はい筆者が伝えたい重要な箇所と読んでいる「わたし」が重要だと思う箇所が違ったりしているので、そういう気付きも一緒にメモしています。

これは読んで気に入った禅語を書いたページ

他にはその本を読みながらぐっときた所や、覚えておきたいところには付箋をつけておき読み終わったらこのノートに書き写しています。

前は読みながらノートに書き写すと言うことをしていたのですがどうしても読書のリズムが崩れてしまうので、一旦付箋を置いておき後から書き写すようにしました。

後から書き写した方が本を2度読んでいるような気持ちになるので「そうそう、こんなことが書いてあったな」と思い出せるのでいいかなと思っています😊

小説に関してはもうダイレクトに蛍光ペンで線を引いています。(結構勇気入ります)

1回目は赤、2回目は青、3回目は緑、と読む回数ごとに蛍光ペンの色を変えて線を引いています。

そうすると読むタイミングで心に響いた文章が違ったりするので、そのいう心の変化も感じながら読書をしています。

前はどちらかと言うと読んだらすぐ手放し、新しい本を買うことが多かったですが、ここ最近は「読書は資産だ」と割り切り、家に本が増えてもそのまま本を置いておくようになりました。

これから何年も経った後に自分だけのライブラリーと読書メモノートが増えるのがとても楽しみです。

よかったら参考にしてみてくださいね😊

それでは2020年も素敵な読書ライフをお過ごし下さいませ💓

最近使っている文庫本カバー。いつぞやの日に鎌倉で買いました。